第431章 身をもって局に入る

黙ったまま俯き、空いている手で眉間を揉む。今にも酔いつぶれそうなふりをした。

視界の端で、竹中社長がそっと小林社長の足を小突くのが見える。

私は何気ない顔で頭を上げた。

竹中社長と小林社長が目配せを交わしている。

言葉はない。それでも、考えていることはだいたい分かる。――まだ酔いが足りない。小林社長は焦りすぎだ。

目の奥に冷たいものが差した。

「竹中社長。私は社長のお顔を立てて伺ったんです。でも小林社長がこの調子なら、これ以上は社長のお顔も立てられません」

きつい言い方はしていない。竹中社長の面子も潰していない。

竹中社長は気まずそうに笑った。

「木村さん、あなたは話の分か...

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