第15章

詩音はただ静かに立ち尽くし、口を開いた。

「いくら?」

男の目の奥に警戒の色が走る。

「お姉さん、どういう意味だ? うちのガキが言うことを聞かねえから、親としてちょっと躾けてるだけだ。まさか他人の家庭の事情に首を突っ込む気じゃないだろうな」

詩音は軽く鼻で笑った。

「お互い商売でしょ。隠し立てせずに、単刀直入に話さない?」

男は表情を強張らせ、傍らの仲間と視線を交わした。

明らかに、詩音の言葉を完全には信じていない。

男は眉をひそめ、不快感を滲ませた。

「お姉さん、何の話をしてるのかさっぱり分からねえな」

詩音の視線は男を越え、その腕の中で震える子どもへと向けられた。

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