第22章

詩音は微かに睫毛を揺らし、声のした方へ視線を向けた。入り口に、見慣れた二つの人影が立っている。

和也と、その傍らに寄り添う琴音だった。

二人が着ている同系色のトレンチコートは、まるでペアルックのようだ。

今、和也の顔色はひどく険しい。

詩音は彼の視線を追い、スッと目を伏せた。

今、彼女と悟の手はごく近くにあり、あと少しで指先が触れ合いそうだった。はたから見れば、確かにどこか艶めかしい距離感に見えるだろう。

先ほどまで話し込んでいたせいで、彼女自身まったく気づいていなかった。

詩音は心の中で冷たく鼻で笑い、和也と琴音の密着した腕へと視線を移した。

よくもまあ、厚顔無恥なことがで...

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