第28章

琴音の顔色は、透き通るほどに蒼白だった。

長い睫毛を小刻みに震わせ、しばらくしてようやく我に返ったのか、唇の端をわずかに下げ、この上なく可哀想な表情で和也を見つめた。

そして、怯えたように二、三歩後ずさりし、和也の背中に身を隠すようにしておどおどとした視線を向ける。

「琴音……」

和也は痛ましそうに振り返り、彼女の様子を窺おうとした。

琴音は何も答えず、和也の心配そうな声にさらに深くうつむき、ぽろりと一粒の涙をこぼした。

和也の顔に戸惑いの色が走り、身をかがめて優しくなだめる。

「いい子だ、顔を上げて。俺に見せてごらん」

詩音は胸の前で腕を組み、鼻で笑ってそっぽを向いた。

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