第40章

亜侑は心配そうに彼女を見つめた。「一人で大丈夫?」

詩音は亜侑の手の甲を軽く叩き、片目を瞬かせて優しくなだめた。「あの人たち、私に手出しなんてできないから」

「分かった。何かあったらLINEして」亜侑はスマホを揺らしてみせた。「無事だってビデオ通話が来ない限り、どんなメッセージが来てもすぐに警察かご両親に連絡するからね」

詩音は思わず吹き出しそうになった。

事態はそこまで深刻ではないが、亜侑がそう言うのは自分を心底心配してくれているからだと分かっている。

「ええ」と、彼女は小さく頷いた。

亜侑はそれでも不安そうに、何度も振り返りながら帰っていった。

エレベーターの扉が完全に閉ま...

ログインして続きを読む