第57章

会議室にいた面々が一斉に振り返り、入り口に立つ二人に視線を注いだ。

悟の姿を認めるや否や、張り詰めていた重苦しい空気は一瞬にして霧散した。席に着いていた者たちは無意識のうちに立ち上がり、次々と挨拶の言葉を口にする。

だが、悟は淡々とした表情を崩さず、彼らの愛想笑いなど目に入っていないかのようだった。その視線は今、極めて真っ直ぐに詩音ただ一人へと向けられている。

一同は彼の視線を追い、まるで夢から覚めたかのように、改めて詩音を値踏みし始めた。

しかし、詩音にはそんな周囲の反応など気にかける余裕はなかった。

皆の意識がまだ悟に集中している間に、彼女はすでにプロジェクターのスクリーンの前...

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