第58章

彼女の顔には、このプロジェクトに対する絶対の自信が満ちていた。まるで、どんな難題であろうと完璧に解決し、最高の解答を提出できるのが生まれつきの才能であるかのように。

悟は微かに瞳を揺らし、目の前の彼女を見つめた。心の奥底が、ふと優しく引っ張られたような気がした。

その瞬間、彼女を自分の手元に置いておきたいという衝動が唐突に芽生えた。

自分の手持ちのあらゆるリソースを注ぎ込んで詩音を育て、引き上げれば、彼女は将来、間違いなく自分をも凌ぐほどの成功を収めるだろう。

だが――

彼女は九条グループに留まることなど承知しないだろう。

悟は長い睫毛を伏せ、考えを巡らせると、ふっと自嘲気味に笑...

ログインして続きを読む