第24章 香水の香り

鏡の中のシェリーは、額から流れた血が鼻筋を伝ってぽたり、ぽたりと落ちていた。

扉が、ぎい、と軋んで開く。

ふわりと、嗅ぎ覚えのある香水の匂いが流れ込んできた。

シェリーは振り返る。

サマーズが、入口に立っていた。

巻き髪は完璧な弧を描いて肩にかかり、仕立てのいい制服のスカートには皺ひとつない。

シェリーの血まみれの顔を見た瞬間、彼女は大げさなくらいに口元を押さえた。

「ひどい……こんなに血が」

ハイヒールを鳴らして足早に近づき、限定物らしいバッグから香りつきのハンカチを抜き出す。

それを、そっとシェリーの額に当てた。

「あなた、リアムの妹さんでしょう? 彼から話は聞いてい...

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