第28章 取引

夜の十一時。シェリーがベッドの上に座り、そろそろ横になろうとした、その瞬間だった。

部屋の扉が外から乱暴に押し開けられる。

ノックもなし。

リアムが入ってきた。闇色のシルクのパジャマに素足。

その手にはガラスのビーカー。半分ほど入った液体が、幽かな青でぷつぷつと泡を立てている。

シェリーは反射で身構え、枕の下に忍ばせていた特注の鋼製ペンに指を伸ばした。

「こんな時間に寝ないで、今度は何をわたしの布団に仕込む気? 毒でも?」

冷えた視線を投げても、リアムは敵意など気にした様子もない。

「今週の金曜、海沿いの荘園の晩餐会。おまえも来い」

命令口調。

シェリーは一拍だけ固まり、...

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