第45章 まさに気が狂いそうだ

シェリーは校庭の端に立つ大きなオークの陰に身を潜め、トニーが悔しそうにすねを揉んでいるのを眺めながら、内心でほくそ笑んだ。

……でも、その痛快さは長く続かなかった。

この三日間で、シェリーは悟った。自分は変態ストーカーにでも目をつけられたらしい。

図書館で『植物図鑑』を探して、つま先立ちになった瞬間。頭上を、小さな手がすっと横切った。オーダーメイドのスーツの袖口。

次の瞬間、抜き取られた本がぽん、と胸に投げ返される。トニーは冷えた顔のまま、一言もなく踵を返して去っていった。

給水機で水を汲んで振り向けば、今度は三メートル先のロッカーにもたれ、両手をポケットに突っ込んだトニーがいる。...

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