第49章 クルミを割りに行く

シェリーはシェーンに手を伸ばさせると、ころん、とダイヤモンドを一粒落としてやった。

シェーンは手のひらのそれを見下ろし、眉をわずかに吊り上げる。

「……なんで俺に? こんなの、俺には無価値だ」

「クルミ割りに使えるよ!」

シェリーは大きな目をぱちぱちさせた。

シェーンの口元が、ほんの一瞬だけ引きつる。そんなのは滅多にない。

目の前の、能天気で底の知れないこのバケモノちゃん。

実験室に転がっているどんな危険物より――なぜか、面白い。

彼は黙ってダイヤを白衣のポケットへねじ込んだ。

横でリアムが鼻を鳴らす。

「俺のダイヤでクルミ割ったら、てめえの頭をクルミ割り器に突っ込むぞ」...

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