第56章 ただ君に優しくしたいだけ

「俺は……ただお前に優しくしてやりたいだけなんだ! わかるか?」

シェリーはきょとんとした。

胸の奥の、硬く凍っていたところが、ふっとほどける。

「リアム兄さん」思わず笑いがこぼれて、頬に小さなえくぼが浮かぶ。「今の兄さん、愛に飢えたツンツンした女の子みたい。……甘えん坊すぎない?」

リアムの顔がみるみる真っ黒になる。

「甘えん坊だと? 俺なら800m先のハエだって一発で——」

「はいはい。じゃあさ、兄さんのカードで本、買い直していい?」

リアムは眉をひそめた。

「お前、まだ6歳だろ。本ってなんだよ」

「この前買ったの、サマーズに没収されたの!」シェリーはぷくっと頬を膨らま...

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