第17章

意織は少し躊躇いを見せた。

「今の私の状態で、そういう場に出るのは不適切じゃないかしら」

「何が不適切なんだ」経は振り返り、力強い眼差しを向けた。「お前は白川家の娘であって、一ノ瀬家の所有物じゃない。この三年間、お前は窮屈な思いをしすぎた。『一ノ瀬の奥様』なんて肩書き、捨ててしまえばいい。明日、臨海市中の人間に思い知らせてやる。意織、お前には強力な後ろ盾がいるんだってことをな」

……

臨海グランドホテルは、眩いばかりの光に包まれていた。

このクラスのチャリティーバンケットとなれば、上流階級の社交という名の修羅場と化すのが常だ。

深は海外とのビデオ会議をキャンセルし、珍しく時間通り...

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