第31章

深の顔色が、その瞬間、さっと青ざめた。

「そんなはずはない」

深が一歩踏み出し、スマホを奪い取ろうとする。

意織は身軽にそれをかわした。

「あり得ないことなんてないわ。深、あなたが誇りにしていた『責任』なんて、最初から最後までただの薄汚い取引だったのよ」

夏菜は完全に床へへたり込み、うわ言のように繰り返している。

「違う……そんなの嘘……」

「真実は何だ?」

深が意織を睨みつける。

「真実は、このUSBメモリの中にあるわ」

意織は手にしたUSBメモリを掲げてみせた。

「知りたい? だったら、まずは離婚協議書にサインして」

「サインするの? しないの?」

そのとき、夏...

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