第34章

翌日。

セイセイ・デザインの会議室。

「白川さん、後で一ノ瀬グループの人たちが来たら、あなたは記録に専念して。このプロジェクトは規模が大きくて、先方の要求も非常に厳しいから、絶対にミスは許されないわよ」

部門マネージャーの吉川が声を潜めて念を押した。

意織は頷き、指先でテーブルの表面をそっと撫でた。

心の準備はできている。

午前十時ちょうど。

会議室の重厚な木製のドアが押し開かれた。

先頭を歩いてきたのは、深だった。

彼は相変わらず手の届かないような雰囲気を纏っていた。ダークグレーのスーツには一糸の乱れもなく、冷ややかな顔立ちからは人を寄せ付けない冷気が漂っている。

だが...

ログインして続きを読む