第56章

部屋の中。

意織はまどろみの中、誰かが入ってくる気配を感じた。

目を開けると、そこには勝ち誇ったような夏菜の顔があった。

夏菜は使用人を下がらせるとベッドに近づき、惨めな姿の意織を見下ろした。

「無駄な抵抗はやめたら? 深は今、あなたのことを心の底から嫌悪しているわ」

夏菜は声を潜め、嘲笑たっぷりに言う。

「子供を身ごもれば形勢逆転できるとでも思った? 意織、あなたって本当に甘い。この家ではね、私の言葉こそが絶対なのよ」

意織は身をよじって起き上がろうとしたが、体に力が入らない。

「深は……私にそんなことしない」

「そうかしら?」

夏菜はバッグから印刷された監視カメラの画...

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