第35章 藤原青樹が手を出す

佐藤絵里が答える前に、藤原大奥様が先に口を出した。

「絵里ちゃんは毎日仕事があるのよ。あなたみたいな暇人とは違うでしょう?」

佐藤絵里は軽く微笑み、心に温かさが広がった。

「会社に少し用事があったんですが、もう解決しました」

藤原青樹はそれ以上何も聞かなかった。

食事を終えると、二人はそれぞれ自分のことをした。

一人は庭へ散歩に出かけ、もう一人は書斎に籠もった。

テーブルの上で携帯が震える。藤原青樹はマウスを指先で軽くたたきながら、何気なく電話に出た。

「社長、高橋グループは我々のものになりました!」

「ああ」

「それから社長、海外のいくつかのプロジェクトは社長自身の判断...

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