第44章 美色に溺れる

南山六也の視線が次第に散漫になっていく。

佐藤絵里を中心に広がるその視界の中で、他の人々はただの暗闇に溶けていった。

彼の目に映るのは、かつて見下していた田舎娘だけ。

彼女は今、眩いばかりの輝きを放ち、完璧な姿で立っていた。

彼女を取り巻く自信に満ちたオーラは、視線を逸らすことを許さない。

最初、佐藤絵里を追いかけようと思ったのは、ただあの絶世の美貌に惹かれたからだった。

だが彼女は常に距離を置き、その服装や振る舞いも自分の興味を全く引かなかった。

次第に、自分の目には彼女の欠点ばかりが目につくようになった。

そして佐藤愛が積極的に近づいてきた時、彼はあっさりと心を奪われた。...

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