第13章

白原花視点

翌朝。私は佐々木グループの佐々木様と、人目につかない隠れ家のような茶館で会う約束を取り付けていた。

佐々木様は五十歳手前。半生を商いの荒波で揉まれてきた男で、レンズ越しの瞳には、抜け目なさと用心深さが鋭く宿っている。

「白原さん。お噂はかねがね」

丁寧な口ぶりのまま、視線だけは値踏みするように私を測った。

「本日わざわざお呼び立ていただいたのは、何かご用向きが?」

私は湯気の立つ茶杯を彼の前へそっと滑らせる。淡い香りが揺れて、私の眼底の冷たさを薄く包んだ。

「ご指導だなんて、とんでもないです」

結論から置く。

「佐々木様が最近、南区の新エネルギー案件に強いご関心...

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