第18章

藤原聡は優雅な獣だ。欲望も野心も、隠すことすらしない。なのにふとした拍子に、息を奪うほどの引力を滲ませる。

危険で、魅惑的。

まるで濃く熟れた毒酒。毒だと分かっているのに、近づかずにはいられない。

そんなふうに心がざわついていたとき、スマホの画面がふっと光った。見知らぬ番号からのメッセージ。

「花ちゃん! 帰ってきたよ! びっくりした? 意外だった? もう着いた! 今すぐお迎えお願いしまーす。場所は位置情報送るね。あと、南区のあそこのザリガニ食べたい!」

文末には、ぴょんぴょん跳ね回るふざけたスタンプまで付いている。

この馴染みのある、図々しいくらい元気な文面に、昨夜から張り詰め...

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