第20章

いくつか当たり障りのない挨拶が交わされたあと、全員が黙ってそれぞれのPCへ向き直った。まるで私だけがそこにいないみたいに。

空気の奥に、言葉にならない排斥が澱のように漂う。

「あなたの席、あそこね」

白原秋穂が、艶やかなネイルを塗った指で角を指した。ちょうどトイレの出入り口と真正面に向き合う、わざとらしい位置。声には隠しきれない愉悦が滲んでいる。

「荷物置いたら、こっちに来て。仕事、振ってあげる」

言うだけ言って、腰をくねらせるようにしてヒールを鳴らし、得意げに部長室へ戻っていった。

私は示された席へ向かう。机の上には薄く埃が積もっていて、長いこと使われていなかったのが一目で分か...

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