第27章

白原秋穂の顔が、一瞬だけ歪んだ。けれどすぐに、それは狂喜に塗り替えられる。

たぶん彼女は、自分が私に届きようもない餌を投げたつもりでいるのだ。――あとは私が粉々に砕けて墜ちていくのを、悠々と眺めるだけ。

会議室の空気が変わった。

周囲の視線は「正気か?」というものばかりで、そこに憐れみと嘲りが混じる。

1億の投資。

虫の息の子会社にとっては、夢物語にもならない額だ。

白原秋穂は私を、二度と立ち上がれないように釘で打ちつけるつもりなのだろう。

私はその雑多な目線を無視して、会議室を出た。

――ここまででいい。

この芝居の目的は、もう果たした。

白原秋穂が自分の口で作った賭け...

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