第42章

エレベーターの扉が再び開いた瞬間、突風が一気に吹き込み、髪がぐしゃりと乱れた。

頭上から腹の底に響くような轟音。反射的に目を細めて見上げると、ビルの屋上ヘリポートに、いつの間にかヘリコプターが待機していた。ローターが唸り、空気を大きくかき混ぜる。まるで、今すぐ飛び立つと言わんばかりに。

藤原聡は自分の上着を脱ぐと、有無を言わせず私の肩に掛けた。包み込むように、私を風から遮る。

布地には、まだ彼の体温が残っていた。

彼は私を庇いながら風を押し切り、迷いなくヘリへ向かって大股で進む。

機内に滑り込んだ途端、外の暴風と轟音が嘘みたいに遠のいた。静かで、柔らかくて、快適で。

ようやく心臓...

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