第109章 傷を負う

突如として放たれた一言が、個室の空気を奇妙なものに変えた。

松山守は野次馬根性旺盛な性格だ。

「目立ちたがり屋? どこどこ、見せてくれよ!」

森夏空はまず森澄夏にスマホを借りてもいいかと尋ね、許可を得てからそれを受け取ると、白魚のような指でタップし、リンクを開いた。

「自分で見てみなさい」

松山守はスマホを受け取り、頭を下げてその投稿を丹念に読み始めた。

最後まで読むと、思わず嫌悪感を込めて舌打ちした。

「瀬央千弥の見る目はどうなってんだか、御影伽耶と契約? そのうち潰れるんじゃないか! この寄付だって、どうせろくな魂胆じゃないだろ」

瀬央千弥がこういった釣りアカウントに登場...

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