第135章 爆破したらどう?

配信は静まり返っていた。

『浪人』はうっかりして、手元に置いてあった湯呑みを倒してしまった。

刹那、カップが床に落ちて甲高い音を立てる。

飛び散った湯がズボンの裾を濡らし、その熱さに彼は歯を食いしばり、顔を凶悪に歪めた。

気の弱い女性がその音に驚きの声を上げる。

【ほら見なさいよ、私の直感は外れたことがない! こいつは悪人だって!】

【まさか、また指名手配犯?】

「彼は指名手配犯なんかじゃありません」

御影星奈の言葉は、配信を見ていた他の者たちを完全に混乱させた。

さっきは妻と子を死なせたと言ったのに、今度は指名手配犯ではないと言う。

これほど悪質な状況なら、指名手配犯と...

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