第140章 初めて正式に対峙

上山賢は相変わらず儒雅な装いで、黒い短髪は一分の隙もなく整えられている。

切れ長の目には、陰険で毒々しい光が宿っていた。

ここは彼の縄張りだ。

それゆえに、わざわざ時候の挨拶をする手間も省かれた。

海野網は上山賢を見つめる。下山時に御影星奈に助けられたせいか、心の底から一抹の憂慮が湧き上がってきた。

彼はそれを力ずくで押し殺す。

そして、何食わぬ顔で言った。「上山部長、お連れしました」

「ご苦労。君はもう出ていい。彼女とは二人きりで話す」

その口調に、有無を言わせぬ響きがあった。

海野網は部屋を出る前、もう一度深く御影星奈に目をやり、やがてドアを閉めて去っていった。

だだ...

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