第142章 姉だと認める?

御影星奈は目を半ば閉じた。

電話の向こうから再び名前を呼ばれ、ようやく彼女は視線を戻す。

助けに行く気など、まったくと言っていいほどない。

その向かい側で、薬を盛られた御影安は、一目で御影星奈に気づいた。

手足に力が入らないながらも、必死に目の前で迫ってくるソーセージのような唇から逃げようとしている。

それでも、彼の耳は金持ち女の分厚い唇にかすってしまった。

途端に、胃の中がひっくり返るような感覚に襲われる。

「何逃げてるのよ? あたしには金がいくらでもあるんだから。あんたがあたしを気持ちよくさせたら、あんたの売り上げを一位にしてやるわ!」

「へへ、肌は白くてすべすべじゃない...

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