第148章 私はもうすぐ狂う

瀬央千弥は、なりふり構わず貪るように口づけた。

全身の熱が、常人の体温をはるかに超えている。

彼の理性は、欲望によって徐々に蝕まれていった。

掌に触れる肌は白く、きめ細かい。女の手首はあまりに華奢で、力を込めれば折れてしまいそうだ。

男の呼吸は荒く、その熱い呼気が背筋をぞくりと痺れさせる。

もっと欲しい!

「御影星奈……俺以外に、まだ誰を誑かす気だ?」

「俺と結婚したのはお前で、離婚したのもお前だ……俺はもう、おかしくなりそうだ……」

「謝部綾人はいい奴じゃない」

男の声は情欲に満ち、掠れて低い。

強烈な欲望に突き動かされ、彼の手はさらに下へと滑っていく。...

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