第154章 恋愛対象が元夫の電話を受けた

羽瀬家。

松山守は、自分のスマホを奪った瀬央千弥を睨みつけた。

こいつ、あまりにも悪質すぎる!

なんと彼のスマホを使って先輩に電話をかけるとは! 絶対に許せない!

時間は二分前に遡る。

トイレから出たばかりの彼は、先輩からのメッセージに返信しようとしたところ、瞬きする間にスマホを奪われた。

見れば、あのクソ野郎だ!

松山守は手を伸ばして奪い返そうとしたが、瀬央千弥はとっくに予測していた。

彼は大股で空き部屋に駆け込むと、素早くドアに内鍵をかけ、外で松山守がドアをドンドンと叩くのを無視した。

電話の向こうは、なかなか返事を待てずにいた。

彼は思わずもう一度呼びかけた。

「...

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