第155章 「あなたが私に薬を盛ったのか?」

着信は知らない番号からだった。

発信元はJ市と表示されている。

御影星奈はそのまま通話を切ったが、向こうは諦めずに何度もかけ直してくる。

彼女がその番号をブロックしようとした時、子猫が突然飛び乗ってきて、その肉球でスクリーンを直接押してしまった。

通話が繋がってしまう。

御影星奈は「……」となった。

子猫は自分が何をしでかしたのか、全く分かっていない様子だ。

机の上で仰向けになり、まん丸な猫の目を無邪気に輝かせ、御影星奈に撫でてほしそうにしている。

御影星奈がそのお腹に手を置いた途端、電話の向こうから声が聞こえてきた。

「御影星奈、もう二度と千弥に付きまとわないで。私と彼は...

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