第157章 もしかして嫉妬してるの?

松山遠介は宋老奥様の末の孫である。

四年前、彼女の末の息子が不慮の交通事故で他界して以来、その悲しみのあまり、全ての愛情を松山遠介に注いできた。

今、嫁から孫に何かあったと聞き、思わず立ち上がらずにはいられなかった。

心配と焦燥に満ちた顔で、階上へと向かっていく。

その後ろを、宋のお爺さんがぴったりとついてきた。

松山紘が説明する。「今、私たち松山家は人手が少なく、遠介ちゃんが希望の星なんです……お爺ちゃんもお婆ちゃんも、あの子には甘くて」

御影星奈は頷いた。

「行きましょう、私たちも様子を見に」

一行四人は、前後して階段を上がっていく。

どことなく漂う黒い気が空気中に散ら...

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