第170章 悪口を言って元夫に見つかった

瀬央奥様とは、瀬央千弥の母親のことである。

瀬央舞香の一件で、この名家の貴婦人が警察署に顔を出す頻度は非常に高かった。

ほぼ週に七、八回は来ていただろうか。

その度に弁護士や、あるいは他の誰かを連れてくる。

ともかく、非常に執拗しつこい。

瀬央舞香の件はもはや覆しようがないというのに。人証も供述も揃っているのだから、これ以上何を調査するというのか。

素直に現実を受け入れられないのだろうか。

警察署の者たちは皆、それを鼻で笑っていた。

しかし、相手がトップクラスの名家である手前、面と向かってそんなことを言えるはずもない。

新人の警官がかつて、好奇心から尋ねたことがあった。

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