第194章 心機謝部綾人再びオンライン

警備員に左右から取り押さえられているのは、年配の中年男だった。

高い頬骨に、三角の目。

どう見ても善人には見えない。

彼は質屋が自分のものを奪おうとしていると喚き立て、群衆はたちまちざわつき始めた。

「こいつ、因縁つけに来たのか? 質屋はあんなに金持ちなのに、わざわざあいつの玉佩をくすねる必要あるか?」

「だよな。先月、あたしも腕輪を質に入れたけど、別に取られたりしなかったぞ」

「どっちにしろ、こいつはまともな人間には見えないね、ちぇっ」

……

世論で質屋に圧力をかけようと思っていた男は、まさかこんな状況になるとは予想していなかった。

彼は一瞬呆然とし、それから逆上した。

...

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