第37章 金を稼ぐのは難しく、糞を食べるのは難しい

御影星奈はその夜、家に戻るとすぐに九体の鬼を改めて尋問した。

一体一体の言い分は異なっていたが、一点だけは共通していた。

それは断固として冥府には行きたくない、金を稼ぎきってから行く、というものだった。一生苦労してきたのだから、来世まで苦労し続けたくない、と。

御影星奈は薄笑いを浮かべた。「数百年も経つのに、まだ稼ぎきれてないの?」

その一言に、鬼たちは顔を見合わせた。

最後に、長い舌を持つ鬼が、真っ赤な目を吊り上げて意地を張った。「金稼ぎがそんなに簡単だと思ってんのか?」

金を稼ぐのは大変なのだ。

人間は目まぐるしく変化し、彼らの考えは時代の変化に全く追いつけない。

それに...

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