第551章 正真正銘の負け犬

「そ、そんな……ありえない!」

 金城詩織は自分にそう言い聞かせながら、震える手を伸ばしてハツカネズミの様子をうかがった。

 体はまだ温かい。けれど、その息遣いは確実に弱まっている。

 御影星奈は、そんな彼女を冷ややかな目で見下ろしていた。

「自分の目で見たことだ。これでもまだ、自分を欺き続けるつもりか?」

 金城詩織は答えなかった。

 彼女はうつむき、籠の中で今にも消え入りそうなハツカネズミを呆然と見つめていた。頭の中は混乱とズキズキとした痛みで一杯になり、息をするのも忘れそうになる。

 謝部知苑の我慢も限界だった。

 彼女はツカツカと歩み寄ると、女の肩を掴んだ。大した力も...

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