第6章

私は丸二日間、ソファにうずくまっていた。

スマホは時限爆弾のようにベッドの上に置かれ、触れることさえためらわれた。たまに食料を買いに出ると、階下のコンビニの店主からは訝しげな視線を向けられ、配達員は何かを確かめるように、私をじっと見つめるようになった。

三日目の朝、松本さんがドアをノックした。

「絵里ちゃん、大丈夫?」ドアの隙間から、心配そうな声が聞こえる。「ここ数日、あまり外出していないようだけど……」

「大丈夫です、ご心配ありがとうございます」ドアの向こうから、か細い声で答えた。

「そう、それならいいんだけど。ああ、そうだ、さっき下に記者たちが来て、入居者の情報を聞いて...

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