第16章

昼間、小林凌輝は会社にいる。彼の許可がなければ、ボディーガードは彼女を通さない。

通話がつながると、白井桃奈は心配と傷ついた様子を、巧みに織り交ぜた。

「凌輝兄……お姉ちゃん、私に会いたくないのは分かってる。まだ怒ってるのかもしれない。でも、体調がすごく悪いって聞いて……本当に心配で」

「私たち、姉妹でしょ。血はつながってるもん。たとえ殴られても罵られても、『私が凌輝兄を奪った』って誤解されても……私はお姉ちゃんを責めない。私の中では、お姉ちゃんはずっと、一番大切なお姉ちゃんだから」

電話の向こうで、小林凌輝はしばらく沈黙した。だが結局、声の硬さを少しだけ落とす。

「最近、情緒が安...

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