第19章

出かける前、雪奈はいつものように適当に上着を引っかけて済ませたりはしなかった。

いったん自分の部屋へ戻り、戻ってきたときには装いが変わっている。仕立てのいいアプリコットベージュのワンピースに、白のロングトレンチ。淡い色味が肌の白さを引き立て、顔色まで見違えるほど良く見えた。

長い髪はゆるくまとめ上げ、すっとした首筋をのぞかせる。薄化粧の唇はやわらかなローズブラウン。

しとやかで、隙のない整い方。普段にはない明るさまで、ほんの少しだけ帯びていた。

玄関で待っていた小林凌輝は、その姿を見た瞬間だけ目元をわずかに揺らした。驚き――いや、見惚れにも似たもの。

だがそれも数秒で消え、彼は何も...

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