第25章

「うん」

雪奈は迷いなくそう答えると、くるりと踵を返して二階へ上がっていった。

二階の部屋の扉が、かすかに「カチャ」と閉まる音がする。

それを聞いた瞬間、小林凌輝はタブレットをソファへ放り投げ、どさりと背もたれに身体を沈めた。指先でこめかみを押さえると、脈打つような痛みがじわりと響く。

階段のほうを見つめる目は、暗く、何を考えているのか判然としない。

しばらくして、脇に置いていたスマホを取り上げた。ロックを解除すると、画面には連絡先の「山本祐翔」の名前が残っている。

親指が通話ボタンの上で止まり、押しかけては引っ込む。そのまま結局、押さない。

ただ名前だけを見つめ続け、画面が自...

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