第35章

山本祐翔の瞳に浮かんだ驚きは、あっという間に濃い興味へと塗り替えられた。

「小林さん、気持ちいいね」

彼は笑いながらぱちぱちと二度手を叩き、その流れのまま誘う。

「せっかくだし、一緒に来て遊ばない? 人数いたほうが盛り上がるしさ」

そう言ってボックス席のほうを指した。

「みんな知ってる顔だよ。小林社長もいる」

小野朝香はそれを聞くなり、雪奈より先に腕を組んで鼻を鳴らした。

「へえ、知り合い。奥さんをほっぽり出して、別の女連れて堂々と遊び歩けるくらい“仲のいい”知り合いってこと?」

声量は十分。ボックス席にも、はっきり届く。

白井桃奈の顔色がすっと青ざめる。悔しそうに小林凌輝...

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