第36章

山本莉乃の声は昂ぶっていて、耳に刺さるほど尖っていた。

「私の代わりにやってよ! さっき祐翔兄の酒を飲んだでしょ。あれで私に借りができたんだから、あんたが代わりに受けてよ! 絶対ね!」

言いがかりもいいところだ。無茶にもほどがある。

その瞬間、皆の視線が山本莉乃から一斉に雪奈へと移った。

小野朝香が「バンッ」と勢いよく立ち上がり、眉を吊り上げて山本莉乃の鼻先を指さす。

「山本莉乃、頭ドアに挟まれたの? 自分で引いたカードでしょ、私の友達に何の関係があるの。借りって何よ、ふざけないで。あの酒、あんたが買ったの? それとも自分で醸したの? ここで発狂しないで!」

「朝香」

雪奈はグ...

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