第40章

山本莉乃が白井桃奈を、いきなり乱暴に突き飛ばした。あまりの勢いに白井桃奈が「きゃっ」と悲鳴を上げ、よろけて転びかける。だが、すぐそばにいた小林凌輝が腕を伸ばし、辛うじて支えた。

山本莉乃は焦点の合わない目をしたまま、自分のドレスの襟元をむしり取るように引き裂きはじめる。口から飛び出すのは、支離滅裂な言葉ばかりだった。

「暑い……熱い、なに見てんのよ! 私のほうが雪奈より綺麗で、あんたたちよりずっと綺麗! 祐翔兄……祐翔兄は、私のなの!」

叫びながら、彼女は腰をくねらせ、目を覆いたくなるような仕草を繰り返す。挙げ句の果てには、顔面蒼白になって固まっている若い男に抱きつこうと手を伸ばした。...

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