第69章

「素晴らしい。実に、素晴らしい」

ジョンはパチン、パチンと二度手を叩き、満面の笑みで心から称賛した。

「snowさん、あなたの才能には驚かされっぱなしです。もし、我々の間で協力関係を築けるのなら……」

言い切る前に、わざとらしく言葉を切る。意味ありげな視線が雪奈へ向けられた。

その瞬間、周囲からひそやかな息をのむ気配が走る。

隣で白井桃奈がグラスの縁を指先でなぞる手を止めた。ジョンの言葉の意味を理解した途端、顔から血の気がさっと引く。

心臓が数秒、止まったみたいだった。目を見開き、信じられないものを見る眼差しになる。

――何?

聞き間違いかと疑うほどで、桃奈は勢いよく顔を上げ...

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