第十四章

小林莉々はA市で名を馳せる大物コレクターだ。数々の世界的名画を買い占めるほどの圧倒的な資金力を持ち、金に糸目をつけないことで知られている。

しかし審美眼は恐ろしく厳しく、有名画家の作品であっても容易には彼女の眼鏡にかなわない。そんなトップクラスのコレクターが、わざわざ学校のパーティーに足を運び、自ら琳の絵を買い求めに来るなど――何かの間違いではないか?

中村が慌てて招き入れると、莉々は興奮した様子で琳の手を取った。

「琳先生! 先ほど描かれたあの絵、私の心に深く刺さりました。どうかコレクションとしてお譲りいただけないでしょうか。お値段はいくらでも出します!」

普段は気位の高い莉々が、...

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