第16章

梨乃は今にも泣き出しそうになり、震えながら後ずさりした。だが、誤って陳列棚にぶつかってしまい、上に飾られていたバッグが床に落ちてしまった。

そばにいた店員は途端に顔をしかめ、甲高い声を上げながら慌ててバッグを拾い上げた。

「ちょっと、何してくれてるの!? このバッグがいくらするか分かってる!? 傷でもついたら、あんたに弁償できるの!?」

店員は血相を変えてバッグを調べ、再び甲高い声で喚き散らした。

「ほら、ここの金具が擦れちゃってるじゃない! 弁償してよね!!」

梨乃は恐怖のあまり泣き出し、ただひたすら謝ることしかできなかった。

「ごめんなさい、ごめんなさい、わざとじゃないんです...

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