第34章

「琳、ちょっと、脅かさないでよ。どうして動かないの?」

由利が前へ歩み出ようとしたその時、ふいに誰かが彼女の行く手を遮り、冷ややかな声を放った。

「由利、いつからそんなに私のことを気にかけるようになったの? でも、その目は一度眼科で診てもらった方がいいわね。どうやら節穴みたいだから」

琳は冷淡な態度で由利の前に立ち塞がり、その瞳にはありありと嘲笑が浮かんでいた。由利はハッとして、驚きのあまりしばらく言葉を失った。

「どうして、あなたが……」

だが琳は彼女を完全に無視し、顔を背けると足早に地面に倒れている人物へと向かった。全身ずぶ濡れであるにもかかわらず、琳は躊躇うことなくその場に膝...

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