第42章

教室の入り口に立つ男は、黒のスーツに身を包み、ネクタイを隙一つなく締めている。その後ろには助手のようにもう一人、黒いアタッシュケースを提げた男が控えていた。

その姿が現れただけで、教室中の生徒たちが口元を覆い、ざわめき始めた。

「あの人、知ってる! 前にテレビで見たことある! すごく見覚えがあるんだけど、急に名前が出てこない」

「名前が出てこないって嘘でしょ? 帝都で一番の敏腕弁護士じゃない。角石和平っていう、帝都法律事務所のパートナー弁護士よ。ものすごいやり手で、大物や貴族が大金を積んで依頼に行くって噂だよ」

「嘘でしょ、そんなすごい弁護士が、琳の電話一本で飛んでくるわけ? 冗談じ...

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