第154章 離してくれ

工藤花恋は、綻びどころか何ひとつ掴めないまま、むしろ自分の神経がすり減っていくのを感じていた。

疑いに追い詰められて、今にも気が狂いそうになったそのとき――南川杏菜から電話が入る。

「花恋、週末さ、外でご飯行かない? 言いたいこと、溜まりに溜まってんの!」

花恋は、すぐ隣で肩に頭をこすりつけようとしてくる三浦央士を横目に、諦めたように息を吐いた。

「外は無理かも。今の私、どこに行くにもこの人を連れて歩かないといけないの」

受話器の向こうで、杏菜がひゅっと息をのむ気配がした。

「え、まだくっついてんの? うわ……。じゃあさ、なるべく人目がないとこにしよ。パパラッチに撮られたら面倒だ...

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