第17章 彼女を救う

コール音は長く鳴り続け、ようやく繋がった。受話器の向こうから聞こえてきたのは、気だるげで、いかにも眠りを邪魔されたとわかる不機嫌な声だった。

「宮崎さん。今、何時かわかってます? 億単位の揉め事でもないなら、黙って切ってください」

「瑛太」

宮崎健に冗談へ付き合う余裕はなかった。呼び捨てにする。

「人を助けてくれ」

電話の相手、北村瑛太は帝京でも名の通った北村医家の息子だ。

血液疾患の分野では、国内でも揺るがぬ第一人者。

その一言を聞いた瞬間、声に残っていた気だるさはきれいに消えた。

北村瑛太は、宮崎健という男をよく知っている。

泰山が崩れようと眉一つ動かさない男だ。そんな...

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