第21章 誘拐

その右側に映っていたのは、廃れた化学工場だった。

工藤花恋は錆びついた鉄椅子に縛りつけられ、ぐったりとうなだれている。顔色は、死人みたいに白かった。

続いて、ボイスチェンジャーを通した無機質な声が会議室いっぱいに響く。

「三浦社長、女は二人。選べるのは一人だけだ。もう一人は――地獄へ送ってやる」

「住所はお前のスマホと警察署に送ってある。制限時間は40分。カウント開始だ」

「ピッ――ピッ――」

映像がぶつりと途切れ、画面は真っ赤なカウントダウンへ切り替わった。

三浦央士は、息を呑んだ。

脳が一瞬、真っ白になる。

次の瞬間、スマホが鳴った。

二つの住所が同時に表示される。

...

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